リュウガ×ラオウの掌編です。
・?×サウザーを含みます。
・ただのエロです。
・性行為描写があります。
※かなりソフトなつもりですが、
感じ方には個人差もあると思います。
・場面はサウザー死後、しばらく後です。
・サウザーの存在が謎です。
遠くから砂煙越しに見る姿は、うずくまる死骸に似ていた。あるいは正体を知る者にだけそう見えるのか。
聖帝十字陵。
気の遠くなるような重量、血と汗を積み上げ威容を誇った建築も、いまや過去の遺物でしかない。
ラオウは黒王号を麓へ残すと、体格に見合わぬ俊敏さで階段を登り、崩れた頂上際までたどり着いた。
砂混じりの風が吹き付けては、岩肌を削る。
それと別の力によって方形に整えられた石が、祭壇に設えられていて、花が供えてあった。この荒んだ大地に、あまりに珍しい、花。まだそう古くはないようだ。
ラオウは先を覗いた。仁星のシュウ、そして彼の積んだ聖碑もろとも飲み込んだ、土台ごと落ち込み不格好な穴。
縁へ立ったまま左を見下ろすと、サウザーが最期を遂げた石室も目に入る。扉は閉ざされ、崩れた岩で半ばまで埋まっている。ラオウが驚いたことには、その前にも同じような祭壇があり、同じように花が供えてあった。
こんなことをするとすれば、シュウの率いていたレジスタンスか? しかし多くの幼い命を囚われ、殺され、踏みにじられた人々が、仇敵に対してする事だろうか。
ラオウは、実にふざけた、茶番を見た思いがした。
それともケンシロウやトキが戻ってしたことか。そちらのほうが有り得るようには思われる。
南斗のことであり、例えばサウザーとシュウの間柄については、ラオウの知るところではなかった。さらに言えば興味もなかった。
あえてあの日の対話の中で測るなら、シュウはサウザーを憎んでいないようだった。その所業で実子を失いながら、それどころかまるで、父親の態で、シュウはサウザーを説きつけていた。だがサウザーは聞かず、おそらく最期まで、死んだ師の愛を求めて死んだ。
首を捻る。師の墓として陵を作ったと確かに言った。いや。あの誇り高いサウザーが、何故明かす。
鳳凰拳は北斗神拳と同じく一子相伝。だがサウザーが子を成したり、まして己の神秘を伝え残すなど、万に一つの目もないように思われる。
すると、いずれ拳とともに、ここに滅びる算段であったか。
となれば我等もシュウも、奴に加担したことになる。
騙られたか?
また首を捻る。
今にすぐにと滅びを急ぐ理由などあるものか?
少なくともラオウには解しかねた。
ラオウは居城に戻るなり、側近の姿を探した。
「リュウガ、今すぐに、俺を」
その先を、ラオウは声に出したかどうだか記憶にない。唇だけが動いたのか、それをリュウガが読んだのか。気がつけば寝台に大の字に寝て、リュウガの接吻を受けていた。
深く何度も交わしたあとに、口許から首筋へをそっと舐められて、身が竦んだ。
身体を冒す怠い熱を自覚する。あのやたらに埃っぽい砂漠で、熱病でも拾ったのだろうか。そもそも自分は何のためにあそこへ赴いたのか。黒王の気任せか?
「拳王様、今日は……」
「聞くな」
聡いリュウガは今度こそ、こちらの目を読んで、黙った。
手早く衣服をはだけ、腰の中心に育ったものを握る。既に期待に濡れ始めている先端を掌に包まれたり、輪にした指で括れを擦ったりされると、ラオウはすぐに頂点を極めた。
精液塗れの下腹を、叢を、狭間の奥を、リュウガの手が撫で回す。魚の泳ぐように闊達に、縦横無尽に。
「かわいそうに」
リュウガはラオウの体を横にさせて後ろから抱くと、子供相手のように優しく、意味の解らない合図を囁いて、優しくない尖ったものを窪みに突き入れた。
敷布を握りしめ頬を押し付けると、髪や服から落ちた砂の感触がざらりとした。歯を食いしばって刺し通されながら、ラオウは、今までにも情事の二度に一度はあったことだが、百舌鳥のはやにえについて思い至って唇を笑ませた。
今日は手を伸ばしてリュウガの手を取ると、その干からびたウ゛ィジョンをなにやら体液でぬめった白で、上書きした。
「」
心底恐縮したような呻きをあげ、リュウガが中で果てた。汗に濡れた胸が肩の後ろに触れ、まだ少しヒヤリと感じた。やはり熱があるようだ。
体とは別のところにある煩い痛みをやり過ごそうと、ラオウは腰を振り立て、次を求めた。
終
- 作品名
- リュウガ×ラオウ:SS:謎々 [R18]
- 登録日時
- 2011/04/23 (Sat) 00:00
- 分類
- 文::危険(♂×♂)