TCR:HNK

北斗関連暫定置場。 ※※801・R18表現 注意※※

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黒潮様:作 みだれ髪 ※20禁

IZEの黒潮様よりいただきました、黒ラオ作品です。
一万ヒット企画ということで、リクエスト募集されていたものですから、まんまとお願いしてしまいましたー!!だって黒潮様の書かれる黒王が、超絶イイ男(馬)なんですもんーー!

そこへついつい趣味で”薄暗い悲恋”というわがままなお願いをしてしまったのですが……期待に違わぬ、宿命的なふたつの存在の、美しく切ないお話にしてくださいました。
そのうえ黒王はお馬モードと擬人モードの一粒で二度美味しい仕様だし!はじめて(!)なラオたんが瑞々しくて健気で……たまらんです!
黒潮様、本当にありがとうございましたー!!

 ーご注意くださいー
・未成年の方には残念ですがご覧いただけません。
・こちら作品内では、「男性同士の性行為描写」「流血」「馬擬人化」「野外姦」「キャラクターの死」 が扱われています。


続き





《みだれ髪》


そのオアシスには誰も足を踏み入れてはならない。

特に彼が最も感心を抱かない下衆で愚かな生物、人間はそうである。
喉の渇きに水を求め、そこにある澄んだ湖を見つけ嬉しさに瞳を輝かせた人間は、次にその瞳に魔獣を映す。彼はガタガタ震える人間を無慈悲に踏み潰した。

ずっとずっと、途絶える事のない繰り返される殺戮…。

彼は自身を見てしまった人間も、この湖に他の生物の体毛一本さえ触れる事も赦さなかった。



今、この世は世紀末。
此処以外の殆どの大地は砂漠と化していた。唯一昔と変わらず、誰にも気付かれない様にひっそり静かに世界の片隅に居座るこのオアシスは、彼にとって昔からとても大切な場所だった。ある儀式を行うのに最も適した場所だからである。


彼の姿を目の当たりにした生物全てが地獄からの使者だ、と恐怖してしまう様な獣。巨大で逞しく、全身に無数の傷跡を持つ漆黒の彼は気が遠くなるような年月を、たった1人で生きていたのである。






ある晩、夜空にいっぱい散りばめられた星達の下、彼は何時もの様に一日の疲れを解消する為オアシスに訪れ湖に口を寄せていた。己の口先から静かに生まれる波紋を彼はその紅い瞳で緩やかに見詰めていると、遥か彼方からある生物の気配を感じ取った。

彼はそっと水面から顔を上げ、茂みの向こうをジッ…と見続けていた。
幾分かすると、彼が待っていた生物がその姿を露にした。


彼とその生物の視線が絡み合った。現れた生物は、彼が最も毛嫌う人間で、性別は男性であった…。

しかし、その人間が持つギラギラと輝くエメラルドグリーンの瞳に、彼は生涯初めて体験する不思議な感覚を味わう事になる。

ゾワワワワ、と耳の端から尻尾までの身体の隅々を稲妻の様な電撃が彼の身体中を駆け巡る。彼は困惑した様にブルル、と小さく鳴いた。その人物は彼の姿を捉えても、焦りも怯えもせず眼光をより一層爛々と輝かせ、僅かにその白い歯を覗かせた。

彼は己の姿を認識しても背を向けないその人間に興味を抱いた。その負を一切感じさせない、まるで輝きを失う事を知らない彼の美しいエメラルドグリーンの瞳に強く強く心引かれた。


『これも、俺が知る人間なのか。』


彼が人間を見詰めながらそう感心していると、目の前に居る人間は突然フッ…と瞼を伏せ、その強靭な身体を草木が生える地に荒々しく俯せ付けたのであった。




                                    ※ ※ ※




男はゆるゆると瞼を上げ、星空を視界に映し出した。
顔を左へ向けると、先程目が合った漆黒の馬の蹄があり、馬はのそりと男の顔へ耳を寄せた。



「……うぬは、ただの馬ではないな。……滅多に見る事はない、覇気を感じる」

「…………」

「王か」

「……」

「………。唐突にすまぬが、水を少し恵んで欲しい………」

「…………。」

「5日間、一滴も喉に通しておらぬのだ………もう、体が…動けぬ……」



そう蚊の鳴く様な声で言った男は、再び目を瞑り気を失った。

彼は幾分か男を見詰め、暫くすると男の頭から踵までの身体全体を包んでいる焦茶のボロ布の端を口で引っ張り、男を湖の傍へ寄越してやった。


そして彼は自身の口を湖へ付け、口腔内一杯に水を含むとソッ…とカサカサに乾燥した人間の唇へ口付けをした。

ぽた、ぽたと水滴を垂らしつつも人間の口元へ口を寄せ、その長い舌を活用し人間の歯列を抉じ開け確実に水を与え続けた。約三時間、彼は何も考えずに人間の回復を試みた。
不思議と、その人間との接触に抵抗感や嫌悪感等は全く込み上げてはこなかった。寧ろこうして触れ合う事に何とも言えない嬉しさを感じた。一度も感じる事のなかった、心が暖まる様な心地好い感情。
しかしそれと同時に焦燥感も生まれる。もう一度あのエメラルドグリーンの瞳に見詰められたい、出逢いたい、

……早く目を醒ませ、と。












朝日が出始めた頃、やっと顔色が良くなった男を見届けた彼は、そのオアシスから駆け出し荒野へ向かった。
彼には成せねばならぬ『義務』があったからだ。


『何故、俺はあの人間に湖の水を恵んでやった…?今まで湖を狙って来た数え切れない生き物を皆殺しにして来たのに』


人間の傍から離れ、走りながら今一頭になり冷静に物事を考えれる彼の頭の中は疑問でいっぱいだった。
ずば抜けてあんなにも嫌いだった筈の人間に、昨夜自分は情けを掛けた。長い時間あの人間の為に、自分は必死に水を運んでやった。…そして、それと同時に体感した様々な感情。
嬉しさや期待や焦りや、初めて見たエメラルドの瞳に身体中を駆け抜けた衝撃。



『…あの衝撃はなんだと言うのだ』


結局、エメラルドグリーンの瞳を持った人間の事ばかりに気を取られていた彼は、その日はずっと男の事を考えながら過ごしたのだった。







陽も落ち空が漆黒に変化した頃、彼は全力でオアシスに向かっていた。
彼がこんなにも焦っている理由はただひとつ、人間の存在である。

彼の頭の中は


『あの人間はくたばってはいないだろうか、もうあの場所から姿を消したりしていないだろうか』



等と完全に男の人間の存在でいっぱいだった。視界にオアシスが飛び込み、無造作に生える草花を彼は遠慮なく踏みつけ湖へ視線を寄越し、……息が止まった。






彼の目線の先、湖には、昨夜自身が介抱したエメラルドグリーンの目を持つ男が産まれたままの姿で水浴びをしている最中であった。
昨夜、人間は大きな焦茶の布切れを全身に纏っていたので、彼は今現在初めてその人間の全ての容貌を観る事になる。

男の毛髪はかつて昔、このオアシスにも降り積もっていた雪の様に真っ白な白銀で短髪頭であり、見事なまでに筋肉が隆起した男の肉体美は正に非の打ち所がなく、人間でない彼でさえも無意識に惹き付けられた。

月光に反射した水面に触れて、戯れ、身体を清めているその姿は神秘的で幻想的で、あまりの美しさに彼は息をするのを忘れていた。

男と一体化した広い湖は、普段より一層と美しさを増し輝いていた。



彼が暫く男を眺めていると、彼の気に気付いた男が身体ごと此方に向けて目線を寄越して来た。
彼は即男が『此方に来い』と言いたがっているのを目を見ただけで分かった。そして彼は男の願い事に何の躊躇いもなく四本の足を湖へ前進させたのだった。




                                    ※ ※ ※




間近で見る人間は毛髪と睫毛、そして腹筋や鎖骨等と言った溝になる箇所に水滴を乗せ、それらを月光に反射させより美しくキラキラと輝いていたので、近寄った彼はその美しさに瞬きを二、三回パチパチと繰り返した。
男は己の腰まで深さがある透き通った湖に身体を浸かしたまま、彼に言った。



「昨夜は本当に助かった……うぬは命の恩人だ、恩に切る。」


こんな格好で言うのも何だが…と男は薄く苦笑いを浮かべ、馬の彼へ頭を下げた。

そんな男に彼はビックリし、マジマジと男を見詰めていると、男は下げていた頭をゆっくり上げ、少し悄気た様に眉毛を下げた。



「ここは、うぬにとって大切な場所ではないのか…?だったら、俺はうぬに許可なく無断で入った事になってしまうな……。

何か礼がしたい。今は何も出来ない、何も持ってないが、あと一、二年待ってくれれば……」




そんな男の表情を見た彼は、湖の中にザバザバと入り男の傍まで近寄って来た。
馬の彼は暫く人間の瞳を見詰め、人間も彼の視線から逃げず見詰め合った。

男は悄気ていた眉をユルユルと元に戻し、そしてニッと笑ってみせた。



「我が名はラオウ。この世を制覇する」

「!」





ら お う




次の瞬間、名を聴いた彼の身体全体が目を潰す位の眩しい紅い光を発光した。その光の尾はこのオアシス全体を影なく映し出す位の明るさで力強く瞬いた。

ラオウは突如自身を襲った過激な眩しさに危うく失明しそうになり、思わず立ち眩んでしまった。ラオウの裸体がグラリと湖に倒れ掛けた瞬間、フワリと誰かが彼の身体を優しく包み込んだ。

一瞬で起きた出来事に目を強く瞑ったラオウは目を閉じたまま必死にその包み込んでくれている『人の腕』にギュッとすがった。それに応えるかの様に、その腕は強く優しくラオウを抱擁してくれた。



段々と紅い光が薄れて行くにつれ、ラオウは恐る恐る目を開いた。

まず目に飛び込んで来たのは、自分よりも遥かに逞しい男の大胸筋であった。そしてラオウはゆっくりと顔を上げ、その人物の顔を見上げた。

満月をバックに長髪の男が呼吸をゆっくり繰り返しながらラオウを見下ろしている。月光により少し青みの掛かった漆黒の癖毛を無造作に、しかしその長い前髪から覗くルビーの様な紅い瞳は穏やかにラオウの瞳を見詰めていた。





「ラオウ」


突然目の前に現れた美青年に名を呼ばれ、ラオウはビクリと反応した。


「…うぬは、もしかして、あの馬か」

「そう」

「!?」



ほんの冗談で言ったつもりだったが、男はその端正な顔立ちを嬉しそうにふにゃりと綻ばせラオウの頭を優しく撫でて来た。


「驚くのも無理はないよね。馬の俺が突然人間になったんだから」

「な、何故人間に化ける事が出来るのだ!?ッ、それよりも身体を離せ!」

「ははは、暴れないでよ…。いや、俺ね、ただの馬じゃないんだ」

「…?は?」

「超生命体なんだ」

「………超生命体??」

「不老不死の特殊な生物。今俺、ラオウの視覚に百年間に一度だけ使えるエネルギー波で俺の姿が人間に見える様にしているから」

「…………!?」

「はははは、ラオウのその顔可愛い~」

「ッ!?馬鹿な事を申すな!!だから離れろ!しつこい!!」



理解不能な台詞にラオウが困惑していると、男は笑いながらギュッと抱き着いて来たのでラオウは顔を真っ赤にしながら怒鳴り付けた。


男はごめんごめんとまるで誠意が含まれてない声色で彼に謝ると、やっとラオウから身体を離してくれた。

ラオウはチラリと男を見てぽつりと、


「…うぬは魔獣なのか」


と尋ねた。その問いとラオウの仕草に男は少し表情を暗くしながら答えた。


「…俺を捕らえようとした野蛮な人間達は皆殺したよ。本来の俺の姿を見てしまった人間にも同じ事をした」

「何故」

「決まりだからさ」



男はハァ、と一つ溜め息を吐いた。


「気付いた時にはこんな身体になっていて、誰からかは分からないけどある義務を押し付けられていた。今の地球を支配する人間の終末を見届けるっていう何とも無意味な事をね。」

「…信じられんな」

「え~、ラオウなら信じてくれると思ったのになぁ。
ふふふ、しかし人間もしつこいねぇ。勝手に世界中で核戦争を始めたせいで他の沢山の生物は終焉を迎えたってのに、その人間がまだぞろぞろ生き残ってる…。

ああ、あと掟もいくつかあるんだ。その欲にまみれた人間達に本来の俺の姿…馬の姿ね。を、見られたら直ちに処刑する事、捕らえようとする者には冷酷な最後を与えろと」

「じゃあうぬはこの俺も殺すのか」

「あ~それはしないしない。」



眉間に皺を寄せ全身全霊の力を拳に集中させ殺気付いていたラオウに男は笑いながら右手を顔の前でブンブンと振ってみせた。

「だったら昨夜、わざわざこの俺が干からび掛けていたラオウに何時間も水を与えた事が無意味になるだろ?」



口と口を合わせて水運んだんだけど…と小さく照れながら呟いた男の台詞が耳に入らなかったラオウは、


「じゃあ何故貴様はこの俺に手助けをしたのだ!」



と苛立ちを隠さずラオウは男に叱責し、次に己の命の恩人へ迷いもなく鋭い鉄拳を彼へ向けた。男の態度が気に食わなかったのだろう。
そんな彼に男の表情は真顔に戻り、繰り出して来たラオウの右拳を意図も簡単に片手で受け止め、そのままグイとラオウの身体を一瞬で己の胸の中に引き寄せた。




                                    ※ ※ ※




ラオウが再び男の胸に寄り添う形になり、そして一瞬の出来事に目を丸くしているラオウの耳元へ、男はゾッと腰にクる甘くて低い声で言い放った。



「今晩だけ、抱かせてくれ」



そうラオウへ告げた男はラオウの後ろに在る、湖の水に僅かに浸かった巨石へ彼を座らせた。
岩肌は滑らかであり、生尻のラオウに苦痛を与えることはなかった。まだ目を丸くしているラオウへ男はまた苦笑いを浮かべた。



「さっき『何か礼がしたい』って言ってくれただろ?俺は今、ラオウが欲しい」

「え…。あ、…しかし、俺は男だ」

「知ってるよ。…ちょっとだけ、俺が新しい身体に生まれ変わる儀式の犠牲になって欲しい。」

「!?」


男は優しく微笑みながら、ラオウの両手に己の両手を絡め合わせ、彼の首筋へ何度もソフトに接吻を与え始めた。



「ッふ……!ぁ、ぎ、儀式、の犠牲だと…!?」

「ん」



首筋への接吻によりほんのり紅くなったラオウの額へ己の額をコツンと合わせ、手を握ったまま男は瞼を伏せた。


「不老不死と言っても、本来はただの馬だった俺が百年も同じ身体を使っていると流石に肉体が衰弱してしまう。だから俺は時期が来ると人里へ出て、」

「…?」

「処女である人間の女を誘惑して性交し、その清らかな血を持って来てこの湖へ流すんだ」

「!?」

「処女膜を破った時に出る血だけで十分儀式には間に合うんだけどね。処女の血を吸ったこの湖の奥底へ俺が七日間潜り込めば新しい肉体が手に入るんだ。

……だけどちょっと俺の性器に問題があってね」

「何、」

「大きさが尋常じゃないんだ。今までに協力してくれた女の人達は皆、口から内臓を飛び出させて事切れたよ…。綺麗な女性達ばかりだったんだけどね。」

「…………。」



ラオウは横目でもう一度湖を眺めた。
こんなにも綺麗な湖に、そんな残酷な悲劇で人生を終えた娘達の血が混じっているだなんて、とても想像が付かなかった。

すると男はフッと瞼を開き、ラオウの瞳を見詰めた。



「だけどラオウの身体なら大丈夫そうだ。そのデカいお尻なら何とか俺の性器を受け止めてくれるだろうな」

「ッ!だから俺は男だ…っ!何故この俺が男にケツを掘られなければならぬ!処女の血など…」



抗論しかけたラオウに隙を与えず男はニッコリ笑って、


「処女膜の血と言っても、初めての性交に出血する血でいいんだから男のラオウの血でも十分儀式には活用出来るんだ。
と言うかラオウ…男なら、命の恩人の頼み事なんて何でも聞いてくれるよね、普通」

うっ…と言葉を詰まらせ紅くなった顔を下に向かせるラオウを愛しげに見詰める男は、今度はラオウの額に接吻を送る。


「大丈夫。ラオウを女扱いしないから、抱き殺さないように目一杯優しくする。痛く、しないから…」

「う……、…く…………。」



綺麗なルビーレッドの瞳に見詰められたラオウは顔を真っ赤に染め、俯いた。
暫く静寂が続き、再び男は口を開く。



「ラオウ、頼む」

「…………名前」

「?名前?」

「貴様の名前だ、何て呼べば良いのか分からぬ」



ぽつり、ぽつりと呟く彼に男はパァアアアッと表情を明るくし、ラオウの唇を軽くチュッと吸うと嬉しそうに答えた。



「黒王。黒王って呼んで」











「はっ…、あ、あ…黒王……!」

「もうちょっとケツ上げて…」

「あッ、ふ、ん、んんんんんんん…ふぁ」



儀式の犠牲になると決めたラオウは、現在湖の片隅で命を救ってくれた男…
『黒王』に肛門を解されている最中だった。

ラオウは浸かった巨石の上で四つん這いにされ、後ろから覆い被さって来ている黒王に背中を舐められ、左手で乳首を激しく弄られながら右手の指一本をアナルに挿入させられていた。

黒王は丹念にラオウの肉壁を抉じ開けて、爪が当たらない様に集中しながらゆっくりと指を前後に動かし始めた。



「ふんんん…!あ、あ、やだぁ……!」

「逃げないで」



自分でも触った事のないアナルを黒王の唾液と湖の水でベトベトにされ、彼のゴツゴツした長い中指がとても優しくナカを出入りする感覚はラオウに計り知れない羞恥と快感を与えた。物凄くくすぐったいのだ。
こんなに優しく人に触られるのは初めての事だったし、黒王に触れられる箇所は全て熱を持った様に熱くなる。
ラオウのアナルは処女だと言うのに、ピクピクと卑猥に蠢き奥へ奥へと黒王の指をキュウキュウ取り込もうとしていた。身体はとても素直な癖に、意地っ張りな彼は恥ずかしさに腰を前に逃がしたが黒王が左手でラオウの腰を掴み捕らえる。



「ラオウ、お尻痛くない?」


黒王が心配そうにラオウへ声を掛けた。


「い、痛くは…な……ッ!?はああああああんっ!!!!!!!!」



ラオウが答えようとした途端、黒王が入口よりやや奥の腹の裏側にある彼の前立腺をクイッと押し上げた。
ラオウは初めて体験するその頭が真っ白になる様な甘い痺れに自分でもビックリする位の、女の様な喘ぎ声をこのオアシス全体に響かせた。




                                    ※ ※ ※




「男にも感じる所はあったんだな…」


独り言の様に呟いた黒王は波に乗り、先程押し上げた前立腺を狙ってだんだんと激しく指の律動を速めた。


「あああッはああんッ!こ、くお…!!!はぁはぁはぁはぁ、…ぁああッ!!!!!そこ、駄目…だ…!ッ頭、おかしくなる…!!!」

「いいよ、ラオウ。俺に全てを委ねてくれ」



四つん這いの姿勢で真っ赤な顔を向けられた黒王は、ラオウが癪に触る位男前な余裕綽々な表情を返した。

徐々に指の本数を増やされているのに、ラオウは自ら腰を振り涎を垂らしながら全身を紅潮させていた。
既に勃起しているぺニスをラオウは無意識に下にある岩肌に擦り付け、その為今のラオウはそのデカイケツを高く黒王に突き上げているという何とも厭らしい恰好になっていた。湖の水がバシャバシャと飛沫を上げながら火照ったラオウの身体を冷やしてくれ、とても気持ちが良いのだろう。



「黒王ッ、黒王ぉおッ!ぁ、はあはあはあ、ぁはぁぁああああッんっんっんっ」

「そんなに腰振っちゃって…。処女のクセにラオウはエッチで可愛いなぁ」

「アンッ…!ぁ、か、わいく、ない…!はふぅうん…ッ!ぁ、あ、ああああ!」

「いや、冗談抜きで可愛いよ」

「ア、ア、ア…!ふ…くぅうう…こ…くお!!!ぁあああアッ!アアンゥウウッ!」

「今ラオウの中に俺の指何本入ってるか、分かる?」

「はぁあッアーッ!!!!ぁあ…んッ!ぁ、ぁ、……さ、さん…ぼん?…ッあ!アッアッアッアッアッアッ!!!!!!」

「残念、四本だよ。ラオウのアナル滅茶苦茶グチュグチュ音立ててすげぇ厭らしい」

「やぁあああッ!!!!い、言う…なぁ…!」

「ふふ、ごめんごめん」



口調はとても優しいのに、ラオウのアナルを攻める黒王の四本の指は激しく乱暴に出入りしていた。指を引き抜く瞬間四本の指先を前立腺を引っ掻く様に律動させると、ラオウはその強靭な肉体をビクンッ!ビクン!と痙攣させ、行き場を失った彼の両手の指は快感のあまりカリカリと岩を引っ掻いてヨがっていた。

その震えるラオウの左手の上へ、黒王は自身の左手を覆い被せ、その手をしっかり力強く握りしめた。その被さって来た黒王の手の甲に顔を真っ赤にし生理的に出る涙を流すラオウは、無意識に何度も何度もキスをした。



「あああッ…!!!黒王、こくお…!ぁ、ふああ、ああああああああ…っ!!!」

「ん…イっていいよ、ラオウ……」


ラオウの変化に逸速く気付いた黒王は彼の耳元へ熱い息を吐きながら、フェロモンムンムンのエロい低音ボイスで優しく囁いたので、ラオウは身体を大きく震わせながら呆気なく豪快に射精した。


「んうううううッ!!!あ、あ、こくおッこくおぉ…ッ…!アアッアッアアン!!!!」

「…………。」



ラオウは全身の汗を周囲に飛ばしながら、ぺニスから大量の精液を目の前に広がる湖へ撒き散らした。
パシャ、パシャっという心地好い水音とラオウの絶頂に達した魅惑的な喘声が静かなオアシスに響いた。



射精後に襲ってくる倦怠感にラオウは放心状態のまま高揚した身体の上半身だけを巨石へうつ伏せ、ハァハァと荒い呼吸を繰り返していた。
黒王はラオウの美しい絶頂姿を見届けた後、小さく熱い溜め息を吐き、…そして意を決したのか元から入れてあった四本の長い指をゆっくりと更に奥へと進めた。




「ッ…!?ッ、あ、こく、お……?」

「………せめてこれが入らなければ、ラオウ串刺し死してしまうからね」

「…!!!!!????ッあっ…あ、あああ…!」


アナルの中でピンと伸ばしていた四本の指を、内側へ添える様に細長く形を取り、ラオウの最奥へゆっくりと進めようとした。



「あああッ!!!い、痛っ…!!!」

「堪えてくれ」


何分か掛けてやっと手首まで入った時、遂にラオウの中が切れてしまい流血してしまった。
ツツーッ、と一滴の血が黒王の腕を伝い、そこで動きが止まった事にやっと終わるのか…とラオウが安堵したと同時に、黒王は無慈悲にも更に腕を進めたのだ。



「や…!も、…ぅ……!!!!!」

「…………」


あまりの激痛にラオウはボロボロ涙を溢し、ぺニスもしなだれてしまっていた。
黒王はその萎えたラオウのぺニスを空いた手でヤワヤワ扱いてやると、今度は快感により黒王の右手をアナルがギュウギュウと締め付けて来たので、これ以上の挿入は不可能と彼は判断した。
せめて己の肘までをアナルに挿入させ、太さと長さに慣らそうと試みた彼だったが、諦めた。

…ズ、ズルゥウウウウウウウウウウ!


「!?っあ、や、あ!!!!ぁああああああああああああん!!!」


黒王に右手を激しく抜かれたラオウの桃色アナルは、突然失った体積を求めるかの様に淫らにくちゅくちゅと開閉を繰り返して黒王を誘惑した。

黒王は今にもそのアナルに突っ込みたいという衝動を堪え、四つん這いだったラオウを後ろからフワリと抱き締めた。



「ラオウ、もういいよ。ありがとう。」

「ハァ、ハァ、ハァ………ぬ…」

「ラオウが苦しむ顔は…見たくない」


そう耳元で囁いた黒王は、濡れたエメラルドグリーンの瞳で見詰めてくるラオウに優しくキスをした。



「殺すのはあまりにも惜しい…」


唇を離し、悲しそうに笑う黒王にラオウは戸惑いを含んだ瞳を泳がせ、抱き着いていた黒王が己から離れたのを慌てて引き留めた。



「ん?どうした?」

「あ、…」


ニッコリと笑ってくれる黒王に、ラオウはキュウウと心が締め付けられた。
自分の為に我慢してる彼、心配させまいと笑顔を振る舞う彼がとても愛しく感じた。

「黒王…」

「んー?」



ザブリ、ザブリと自分に背を向け湖の中を進み陸に向かう黒王にラオウは声を掛ける。
それに振り向いた黒王のサイドの長い黒髪をラオウは即引っ張り、そしてガクンと落ちて来た彼の唇に自分の唇をくっ付けた。


「………!!ら、ラオウ…!?」

「チュッ…チュッ…んんっ、黙って、座れ……!」



顔を真っ赤にして、まるで下手糞なキスを必死に繰り返してくるラオウに黒王は驚愕した。

今度は黒王が巨石の上に大人しく腰掛け、湖の底に足を着いたラオウが上から再び一生懸命キスをして来た。ラオウの頭を黒王は右手で押さえ付け、互いにより深く激しく舌を絡め合い、甘噛みし、唾液をくちゅくちゅ送ったり飲み込んだりしながらキスを楽しんだ。


「どうした、ラオウ…。凄く可愛い事してくれるじゃないの」

「ハァッハァッ…、黒王」

「………!」



呼吸を乱しながら名を呼ぶラオウの頭をポンポン叩いていると、何とラオウがザバアッと岩に座る黒王の長くて強靭な太股に跨ぐ姿勢で、身を湖から打ち上げて来たのだ。
ラオウは折った膝を黒王の開いた太股の内側へ着け、スルリと彼の股間へ手を伸ばした。


「ッ………」

「…!?こ、黒王、これ…!!!」




前戯を始める前に黒王から聴いた、処女の女性達が黒王との性交により内臓を口から噴出させて吐血しながら亡くなったのは聴いていたが、今現在自分が触れる黒王の性器の大きさにラオウは驚きのあまり瞬きをする事を忘れた。

恐る恐る、ラオウは水面によりゆらゆら動く黒王の股間へ目をやり、彼の腰をぐるりと覆う黒い衣服へ手を掛け、一気に払い除けた。

それと同時に水面から勢い良く飛び出して来た黒王の勃起ぺニスにラオウは思わず顔を蒼くし後退りした。

彼のぺニスのデカさは最早性交に用いるべき物ではなく、正に殺人兵器だった。
長さは成人男性の平均体格よりも遥かに逞しいラオウの指先から二の腕の半分程あり、太さは正にラオウの前腕の直径程あったのだ。

ラオウの痴態により興奮し、とっくに勃起していた黒王のぺニスは彼の褐色の肌に良く似合う黒々しい色で、でも先端にかけての亀頭は黒から徐々に綺麗な梅色になって、我慢汁によりヌラヌラと光っていた。
複雑に走る無数の血管がドクドクと浮き出ている彼の長い竿に、ラオウの握り拳程ある黒王の亀頭は、湖の冷たさをまるで感じないのか元気にビクビク勃っていた。



自分より遥かに立派な逸物を拝見したラオウは汗を掻きながらゴクリ、と唾を飲み込んだ。黒王は困った顔をラオウへ向けた。




「本来の俺は世界で一番デカい馬だ。何故か性器だけは人間のサイズに見せる事が不可能で………。
処女であるラオウ、ましてや肛門の役割は女性器の様に物を受け入れる器官じゃない。どんなに頑張っても俺の性器を受け止める事は出来なかったんだ…。ラオウ、無理させてごめんな。」




                                    ※ ※ ※




黒王は本当に申し訳なさそうな顔をラオウへ向け、悲しそうに目尻を下げた。

ラオウは暫くそんな彼を見守っていたが、……次にラオウがとった行動に黒王は肝を抜かれた。



「………なにやってんだラオウ!」



何とラオウは黒王が腰掛けている太股を閉じらせ、その太股の外側へ足を着き彼の肩へ手を置いたと思うと黒王の勃起したぺニスへゆっくりと腰を降ろし始めたのだ。

ラオウは初めて聴く黒王の圧制的な怒鳴り声にビクリと身体を震わせたが、黒王へ向けた眼光は全く怯ませなかった。



「うぬは俺の命の恩人だ。昨夜うぬと出逢わなければ、俺はこの湖を目の前に野垂れ死にするところだった…。」

「あれは俺の気紛れだ」

「じゃあ何故!」

「?」

「何故うぬは百年に一度しか使えぬ能力を俺の前で使ったのだ!今その力を発揮している間に俺と混じり合わねばうぬの肉体は衰弱してしまうでないか…!!!」

「……肉体は滅びても俺の生命が消える事はないよ」

「駄目だ!!そんな事は許さぬ!今の俺がこうして生きているのもうぬのお陰だ。黒王が居てこそ俺はまた覇道に挑む事が可能となったのだ。……大丈夫、うぬが考えてる程俺の身体はヤワではない」

「………!!!」

「黒王、俺に気遣うでない。本能のまま、俺を抱け。」



そしてラオウは、昨夜黒王と初対面した際に彼に見せた、挑発的な笑みを見せたのだ。
ラオウは黒王のぺニスを受け入れるのは、自身の肉体が無事では済まないと言うのは良く理解していたが、どうしても後に退く事が出来なかった。それは何故か、恩返しがしたい、と言う気持ちよりもずっと大きな、大切な気持ちがラオウの中に芽生えていた。

黒王はその光輝くエメラルドの瞳に映った己の顔を見た途端、自分がラオウに抱く感情全てを悟った。昨夜自分がラオウを救い、彼の前で人間に変化した答えを見付けてしまった。



『だからあんな掟があったのか…』



黒王はラオウの決意を受け止める事に決めた。
黒王は己の勃起ぺニスの根元を左手で支え、ラオウの解してあったアナルへ指一本挿入させ、グチュリと回転させた。




「ああッ…!」

「よし、潤ったままだな…」

「んん、黒王…」

「ラオウ、力抜いてて…」

「…う、む………







………ぅ、ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!」


何度か深呼吸したラオウのヒクつくアナルへ先端を当てると、黒王はゆっくりとラオウの身体を下へ押さえ付けながらも腰を上げ始めた。
初めて男根を受け入れるラオウのアナルは、己の握り拳程ある黒王の亀頭にメリメリメリ、と強引に押し広げられる。
肉を裂く鈍くて痛々しい音、それに伴いラオウの喉からは黒王が耳を塞ぎたいと思う位の断絶魔が上がった。

ラオウは決心したものの、正に身を真っ二つにする勢いである黒王のぺニスに身体が勝手に腰を浮かばせ激痛から逃げようとした。




「…ラオウ、もう逃げる事は出来ないよ」



黒王の本来の生物分野は馬である。ぺニスは馬のままであるので、今己の勃起ぺニスをハメるラオウの淫孔へ亀頭を押し付けている黒王の興奮は最高潮であった。
泣き喚くラオウの瞼や涙を優しく舐め取りながらも、グイグイと腰の突き上げを制止するような気配は一向に感じない。


だが、黒王のぺニスはあまりにもデカ過ぎた。ラオウの裂けまくった血塗れアナルは、やっと一番太い部分に近いカリ首まで飲み込む事が出来た。




あともう少し、もう少しだ、ラオウ。
俺を受け止めてくれ。


「ラオウ、ラオウ、」

「い゛あああああああッッあッ?!」




黒王は奇声を上げるラオウの口を唇で塞ぎ、その長い舌でラオウの暴れる舌を強引に絡ませながら彼の縮んでいる睾丸2つをゴリゴリと内側へ強く擦り合わせた。




                                    ※ ※ ※




「…!」


ラオウの意識がアナルから前へ一瞬向き、ハッ、と息を吐く瞬間を黒王は見逃さなかった。
黒王は瞬きも終わらない位の素早さで睾丸から両手を外し、股間に跨がっていたラオウの背中へ腕を回して亀頭の先端をアナルへ入れたまま岩から立ち上がって彼を持ち上げたのだ。





「……………………!!!!!!!!!!」



バヅン!!!!!
ずりゅぅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!



「………ぎ!…!!!!」



ラオウの体重を支えるのは必然的に黒王の亀頭しかなくなったので、ラオウのアナルは大量の血を湖へ噴出させながら、重力のまま黒王のぺニスを一気に飲み込まされた。
一番太いカリ部をズリュンと通過し、硬くて長く、逞しい黒王の竿がどんどんラオウの中を侵食して行く。

そして遂に黒王のぺニスはラオウの最奥を超えた奥へ辿り着かせたのだが、彼等の結合部を見てみると黒王の根元は、一般男性の拳一つ分程の長さを残していた。やはりラオウでさえも、彼のぺニスを全て受け入れる事は出来なかった。
しかし黒王はラオウのナカに入れた事に嬉しさと興奮、気持ち良さにウットリとした顔をラオウへ向けた。



「ラオウッ…、ね、ラオウと俺、今、一つになったよ!」

「……………!!!ッ!…」

「……痛過ぎて声も出ない?」

「…、…、」



ラオウはギュッ、と両腕を彼の首に巻き付け、両足は黒王の広い背中に絡み付けて死にかけの魚の様に口をパクパク開閉し、伏せた目からは止まる事なく美しい涙を流し続けていた。



「痛くしないって約束、守れなかった…。ごめんな、ラオウ」



黒王はガクガク震えるラオウの唇へ啄む様なキスを一度だけし、駅弁体位のまま腰を徐々に上下に振りながら岩の傍から離れ、ザブザブとゆっくり湖の中心へ足を進めた。




「こんなに深く俺を受け入れてくれたのは、ラオウが初めてだよ…?」

「…………!!…、……!!!!」



ラオウの口からは酸素を必死に取り入れようとする、ヒューヒューという貧弱な呼吸と共にゴポリ、と鮮やかな血を吐いた。
ラオウのムキムキに割れた腹筋の上部、大胸筋の溝を見て見ると、黒王に突き上げられる度に彼の亀頭らしき姿がボコ、ボコ、とラオウのそこを押し上げていた。その光景は本当に無惨でグロテスクな物であった。
最早黒王のぺニスは既にラオウの直腸を突き破り、心臓やら肝臓やら肺がある生肉をぐちゃぐちゃに抉り混ぜ合わせていたのだ。


もうラオウの目の前は血の様に赤く染まり、耳はゴウゴウという暴風のような耳鳴りに支配され、黒王の突き上げに肺を押し上げられる圧迫感に何も考えれなくなっていた。ラオウの身体を一直線に侵食している黒王のぺニスはドクドクドク、と激しく脈立ち、火傷しそうな位の熱さだった。

しかし黒王は涙に濡れたラオウのエメラルドの瞳と、血に染まり続ける彼の唇と尻に酷く興奮した。



『ラオウの苦しむ顔は見たくない。……でも、何故こんなにも彼は美しいのだ』



黒王がラオウを上下に持ち下げする速度が速くなるにつれ、ラオウの口から出る血の量が増し次第にラオウの顔も蒼白くなってゆく。



「ラオウッ…ラオウッ………!!」

「…~ッ!………ゲホッ……!!!!!」

「…俺等、出逢わなければ良かったね…」

黒王の瞳から涙が流れた。産まれて初めて流す、黒王の涙だった。
苦しむ美しい彼の顔を直視出来なくなった黒王は顔を俯かせたが、不意に短い白銀の毛髪が彼の鼻先をフワフワと擽った。黒王が顔を上げると、月光を浴びたラオウが黒王の瞳を覗き込んでいた。
次にラオウは、血を纏った唇を華麗に弧を描き、愛する者を見詰める様な優しい眼差しで黒王に笑顔を向けた。




「黒王」



はっきりとした声で名を呼んだ彼は、黒王の胸の中で息を途絶えた。最後の最後で、彼の魂は黒王の前で誰よりも気高く、美しく光輝き消え失せた。




黒王は暫くラオウ『だった』顔を眺め、そして優しく優しく包み込んだ。



「この世で一番綺麗な世界を見せてあげる、ラオウ。」



そう言った彼は結合したまま、湖の中心に歩んだ途端、浅かった筈の湖の底は黒王の足元から姿を消し、二人を飲み込んだ。
ゆっくりとラオウだった肉体を彼は自身の身体の下に組み敷き、二人は湖の暗黒の世界へ堕ちて行く。

黒王はもう一度、深く深くラオウの唇へキスをした。


「ラオウと出逢った俺が、今後も無限に生きて行く事はきっと出来ない。」


彼の低い声は水中だと言うのに綺麗に反響した。


「ラオウが居ない世界なんて考えられないよ。俺は、ラオウに生きていて欲しい。目標に向かって、がむしゃらに生き抜いて欲しい。例え俺の命が消え失せたとしてもだ」



黒王の目尻から新たな涙が出て来、瞬く間にその涙も湖の水と一体化する。その涙は、掟を破った罪深い自分が今後何度生まれ変わっても、二度とラオウに出逢う事はないと知っているからか。

すると死んだ筈のラオウの瞼がフルフルと動き出したのだ。
黒王はもう一度彼に優しくキスをすると、ラオウはゆっくり目を見開いた。


彼が一目惚れしたエメラルドグリーンの瞳に再び出会えた事に、黒王は無邪気な子供の様な笑顔を浮かべた。

未だ意識が朦朧しているラオウの視界には、この世で一番美しい光景が広がっていた。
澄んだ湖の奥底へ堕ちて行く黒王と自分。遥か頭上にある水面の向こうに、満月と星がゆらゆらと妖美に揺らめき、無数の気泡がそれに向かって悠々と上がって行く。
それらの光景を背景にした黒王が無邪気にラオウへ微笑んでいる。
彼の漆黒の長髪が四方八方へと浮かび上がり、堕ちる彼を静かに見詰める美しいルビーレッドの瞳にラオウは意識を完璧にクリアにした。




「ラオウ」

「………!!!!こく、」

「       」
















次の瞬間ラオウは下から何かに物凄い勢いで押し上げられ、湖の傍の陸に打ち上げられた。

ラオウは己の身体が完全に治癒している事に即気付いた。黒王と結合した際に裂けまくった筈のアナルは、彼の普段の引き締まった尻へと戻っていた。ぐちゃぐちゃにされた内臓も至って健康である。

混乱したラオウは必死に黒王を探し求める。しかし、湖の中心に行ってもそこは何事もなかったかの様に浅く、どこを見ても人の気配も、馬の姿もなかった。


黒王は己の生命力全てを死んだラオウへ注ぎ込み、ラオウを生き返らせたのだ。
そんな事は勿論知る由もないラオウは、最後の彼の言葉を思い出しては涙をボロボロ流した。



「黒王、黒王、黒王…!!!!!
俺も…、俺も、黒王の事を……ッ!!!」




黒王の名を呼ぶラオウの声だけが、かつて彼が大切にしていたオアシスに悲しく響き渡ったのであった。








 END

作品名
黒潮様:作 みだれ髪 ※20禁
登録日時
2011/10/15 (Sat) 00:00
分類
いただきもの
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