110 シリウスが夜にルーピンの寝室を訪れる時、当然ではあるが目的は非常に限定されている。 しかしながら時折、その目的を達せられないばかりかシリウスの思惑とはまったく逆の状況になって朝を迎えてしまう事がある。シリウスはプライドと羞恥心の入り混じる理由でこれまで経過と原因の追求を避けてきたのだが、ある日ふと疑問に思った。 自分は確かにいつもと同じように彼の寝台に乗り上げ、そしていつもと同じように彼に触れ、彼の衣服を脱がそうと試みた筈である。しかし気付くといつの間にか自分の頭は枕の上に乗せられ、衣服がたくしあげられ、いつもより若干優しそうな笑顔を浮かべている彼に見下ろされているという按配なのだ。 シリウスは考える。突然腕を捕らえられたり、強く押されたりした事はない。自分の性格からして、そうされれば当然抗うだろう。ルーピンにそんな振る舞いをされた覚えはなかった。またルーピンの気質からして、言葉でかき口説くというのは有り得ないし、そんな記憶もない。 これは一体どういう魔法によるものか。 考え続けていたある日、答えは簡単に見つかった。 訪れた寝室の暗がりの中でシリウスがルーピンに口付けると彼はこう言った。「この間、家中のドアの取っ手を磨いたとき、磨き粉はどこに片付けたんだっけ?」 磨き粉は確か物置の西側の部屋の奥の棚の上から2段目……などと考えていると、そっとルーピンの手が伸ばされ、シリウスは寝台の上に横たえられた。彼はルーピンの顔を見る。 そういえばいつもそうだった。ルーピンは質問をしたのだ。「踊り子と伯爵家の次男の悲恋物語のタイトルは何だっけ……。あの4年の時に大流行したやつ」であるとか「5年のときに引退された教授の名前を覚えているかな?」であるとか、微妙に記憶力を使う質問を。いつもシリウスは答えを探すためにしばし集中する。その間にルーピンは自分のするべき事をする。こういう仕組みだったのだ。 呆然と見上げてくる友人に、ルーピンは言った。いつもより若干優しそうな、あの笑顔で。 「2年目にして、とうとうばれたか」 次はベッドの上の話希望。ルシリで。 という超直球リクエストを頂いたので書いてみます。 先生theマジシャン……というよりシリウスがバ……。 ていうかもっとこう声が出てないと駄目ですかね。 続きはモニタをライターで炙ると出てきます。 もうシリウスとか鳴かされまくりで、涙まで流してます。 先生は言葉攻めです。鬼です悪魔です。 さあライターライター。 (ウソですから。単にモニタが割れるだけです) 2005/09/15 BACK |