72 霊山に岐阜蝶の羽化見入りけり 藤川和子
「見入りけり」が要らない。「霊山」を形容する。「岐阜蝶の羽化精霊の山深く」
70 置き薬に色の褪せたる紙風船 気儘
「色の褪せたる紙風船」がとても面白い。「手つかずに紙風船は色褪せぬ」
37 万緑の木立歩めば水の音 永田和子
「木立ち歩めば」が平凡。「万緑の奥へ奥へと水の音」
36 白々とこでまり闇の深まりに きのこ
「こでまり」は白に決まっているので、「白々」はだめ。「こでまりを浮かべて闇の深さかな」
32 春昼や足湯にぼつと諏訪湖畔 山渓
少しごちゃごちゃ。「春昼の足湯につかりゐたりけり」
25 初鰹 恵一
「初鰹」が説明。違った季語を。「糶り落とす男勝りや夏衣」
22 帽子にも桜蕊降る音そっと きのこ
雰囲気のある一句。「桜蕊かさりと帽子響かする」
19 桃咲くや生家に高く干す襁褓 紅葉
「生家」が不要。「高々と襁褓を干せり桃の花」
13 次々に漁船出でゆく春の暮 花穂
「春の暮」が勢いを殺いでいます。むしろ朝の感じを「次々に漁船出でゆく初音かな」
7 白磁壺の形見となりぬ黄水仙 弥生
「白磁壷」がつづめた言い方。「白磁の壷」。「白磁の壷を形見に朧かな」


