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タイトルメジェドと心臓について
記事No1551
投稿日: 2017/01/31(Tue) 22:01
投稿者ina
参照先http://www.moonover.jp/bekkan/sisya/index-17.htm
以前からずっと気になっていたメジェドが心臓を食べるという話の元は、ずっとアメミットかババイと取り違えたのだと思っていましたが、もしかしたらこれも若干元ネタとなっている可能性があるような気がします。
このサイトの別館に掲載されている死者の書第十七章。メジェドとされる者の登場シーンのすぐ後です。

「おお、ラー=アトゥムよ、汝は大いなる宮の主なり。汝は全ての神々の中の元首なり。(生きよ、栄えよ、永遠なれ)
汝願わくば、勝利を得たる書記生ネブセニを、其の面は猛犬の其れに似、其の眉は人間の其れに似、死者を養い、焔の湖の入り江を注視し、死者の肉体を食らい、心臓を飲み、汚物を発射して、しかも他には見らるることなき神より救いたまえ。」

この「他には見らるることなき神」が「他にはみらるることなき打ち倒すもの」と同一だと思われた可能性もあると思い、両者の英訳でも確かめればいいのかと思ったら訳が転がっていません。
訳が載っていたと思ったらまるまるこちらのサイトの別館の日本語訳。
厳密な資料をどこで手に入れたらいいのかもよく分かりません。
ここから勘違いしたなら何故汚物の下りが採用されていないのかとか少し疑問ですが、すごくモヤモヤしています。
英訳を持っていたりしないでしょうか?

タイトルRe: メジェドと心臓について
記事No1552
投稿日: 2017/01/31(Tue) 23:30
投稿者岡沢 秋
> 厳密な資料をどこで手に入れたらいいのかもよく分かりません。
> ここから勘違いしたなら何故汚物の下りが採用されていないのかとか少し疑問ですが、すごくモヤモヤしています。
> 英訳を持っていたりしないでしょうか?

持ってますよ。
ていうかそこの訳の日本語版は大正時代のやつで、その後、解読が進んでだいぶ死者の書の訳は変わってます。「汚物」と解釈されていた単語は現在では「傷」と訳されてます。

17章の問題の部分は、
Save me from that god whose face is that of a hound but whose skin is human〜 で、「炎の湖に住むイヌの顔をした怖い神様におそわれる; 助けて、アメン・ラー!」という意味の呪文です。
(なのでここの「見えざるもの」は、名前自体が隠されたるものを意味するアメンのことかと。現在の訳には入ってません)

日本ではメジェドと言われている神の出てくる部分は、その前の「願わくば、彼等の屠殺刀をして、我を支配せしめざらんことを〜」で始まる段で、英語版ではsmiter = 打ち倒すもの となってます。

古代エジプト語「メジェド」=打ち倒すものという意味の形容
なのでここは神様の固有名詞ではなく、いずれかの神の別名と解釈するのが妥当だろうと私は思います。英語版の解釈でもそうです。

心臓の下りは、たぶん追記前のうちのサイトを斜め読みして誤解した人がいて、そのまま広まったんだろなぁと思いましたが、エジプト神話ってだいたいそんなノリでエピソードが増えたり組みかえられたりしてるので、まぁいいんじゃない? 2000年ぶりに新作エヒソード追加されたよね。って感じでスルーしてました。(笑

タイトルRe^2: メジェドと心臓について
記事No1553
投稿日: 2017/02/01(Wed) 16:47
投稿者ina
ありがとうございます!
なんか……なんか心臓食べていなくて安心しました(笑)