タイトル | : Re: 「誤訳でツノを生やされた」かどうか |
投稿日 | : 2023/04/23(Sun) 16:08 |
投稿者 | : 岡沢 秋 <http://> |
コメントありがとうございます。聖書関連は専門ではないので、誤訳だ派とそうでない派がいるのだと認識しておきます。
ただ、
> ご存知のとおり、古代オリエントの王や神の図像はツノを生やしたりツノ帽子をかぶっていたりします(今思いつくところではエジプトのハトホル、アッカドのナラム・シン)。要するにあの「力強さ」のイメージです。
ここは異議があります。
ハトホル女神にツノが生えているのは、力強さの象徴ではありません。ウシの女神だからです。頭部が女性の形になっているデンデラ神殿の柱などではツノは生えていません。
エジプトの神様たちで力強さを象徴するためにわざわざツノだけ生やした神さまは誰もいないです。ハヤブサの神にツノは生えないでしょ。
メソポタミアでのツノも、神格を意味していて、ツノが一対だと低位、二対以上で多くなるほど高位、ってなっているので単純に力強さの意味ではないかと思います。権威という意味ならアリだと思います。
要するに、ツノが生えている=力強い というイメージ自体、元の東地中海世界の思想からは少しズレた解釈だと思うのです。雄牛が力強い、なら分かるので、雄牛を象徴とする神や雄牛に例えられる人物であれば意味はわかります。