突然、目の前に出された、包み。
大きさは手のひらに乗るぐらい。
何だというような顔つきで、目の前の人物に問い掛けたら
「一日早いけど、誕生日プレゼントよ。明日は誕生日でしょ?」
「そうだけど…別に、当日だって…」
とそこまで言って思い出す。
明日逢えばいいものを、なぜ一日早めたのか。
イベント好きの彼女に合わせて…っていうか彼女の顔が見たくってイベント事をチェックするようになったオレは…一日早めた理由をそこで思い出す。
「……ごめん」
当日は用事が入ったと連絡したのはオレ自身。
「別にいいよ、依頼でしょ?仕方ないよ。それだけ、頼られてるって事でしょ?」
「ワリィ」
「あんたが謝ってどうするのよ。まったくぅ…新一、一日早いけど誕生日おめでとう。ちゃんと大切にしてね」
そう言って蘭はふんわりと微笑む。
「バーロォ、お前からもらった奴を乱暴に扱うかよ…。サンキュ、蘭」
そう言ってオレは蘭を抱き寄せた。
一日早い誕生日のパーティ。
こんなのもたまにはいいかも知れない。