第4章 三種の神器を求めて・3部 結界解除
アイファ様の神殿をでてあたし達はカバネルの守護庁に戻って来た。
そこで、『スリーナイツ』の人に迎えられ、『スリーナイト』がいるところに通された。
「久しぶりじゃないの、ファナ。元気そうね」
「私は元気よ。キラも、マリウスも、ゼルも元気そうで良かったわ」
「なに言ってるんだ。俺達三人はこのカバネルを守護しているんだぞ、元気なのは当たり前だ。ところでファナ、お前のことだから当然修業はしていたよな」
と、突然マリウスはファナに言う。
「おいおい、帰ってきてすぐにそれはないんじゃねーのかマリウス?」
ゼルの言葉にあたし達は笑う。
「ところで、マリウス。ワール・ワーズの三人はまだかな?」
「はい、先ほど連絡があってもうすぐつくそうです。」
と、マリウスが言った途端『スリーナイツ』の人がワール・ワーズの三人をつれてきた。
「やぁ、マリウス、ゼル、久しぶり。ラテス、『フラウの鏡』取ってきたよ」
と、ワール・ワーズのマレイグが言う。
「ご苦労様、どうだった?月の迷宮は」
「…………知ってたの?ラテス」
「え?何が」
チェスターの言葉にラテスはごまかす。
ワール・ワーズの話によると、『フラウの鏡』があったのはトマスビル大陸の古代月の女神ミディアの神殿(現在は創造神オリアの神殿)のすぐ近くにあるダンジョン『月の迷宮』と言われる所に安置されてあったらしい。
「ごまかすなよ、知ってたんだろうラテス!!だから『ミディアビュート』持っていけって言ったんだろう」
クロンメルの言葉にそして、ワール・ワーズの三人の口撃にラテスは謝る。
「ごめん。だってさぁ、ミラノに月の迷宮はつらいかなぁって思ってさぁ。いくら、ファナとカーシュがいるからってあまり無理はさせたくないなぁって思ったからワール・ワーズに頼んだんだよ」
「だからって、最初から言ってくれればそれなりの準備が出来ただろう。そんな変なところにないと思ってたからやばかったんだよ。月の迷宮に入ったとき。何とか、召喚したから助かったけどさ」
チェスターは文句を言う。
「ホントごめん」
そう言って何回も謝るラテスにワール・ワーズはようやく許してくれたのだった。
「さて、ラプテフに行こうか。キラ、ここはまかせたよ。ラプテフないのごたごたも解決しなきゃならないから。少し時間はかかるかもしれないけれど、それが終わったらすぐにマリウスとゼルを戻すから」
「大丈夫、欠けた方が下の者たちがしっかりするから、本当はいつもしっかりしていて欲しいけれどね。それにナンバー2のゼファー、マリー(スウェルナイト)、キアヌ(ウォールナイト)もいるんだから」
キラの言葉にラテスは笑ってうなずいた。
そして、あたし達はラプテフに向かって転移したのだ。
ラプテフ王国カイサリー島
あたしが列島結界から抜け出したときに立ち寄った島。
「ここは古代の戦いと裁きの神ニスクの神殿がある島だ」
と、マリウスが教えてくれる。
「で、ラテス、この『ニスクの天秤』と『フラウの鏡』はどうするんだ?」
「ん、とりあえず、カイサリー神殿にいこうか」
と、ラテスはあたし達を促す。
カイサリー神殿は戦いと裁きの神ニスクを主神として祀り、と太陽の女神フラウと大地の女神ガイアを副神として祀っている神殿だそうだ。
「ここのね、ニスク像に『ニスクの天秤』と、フラウ像に『フラウの鏡』を持たせて欲しいんだ」
とラテスは言う。
でも、ニスク像とフラウ像ってどこにあるの?
「ラテス………まさかニスク廟に飾ってあるニスク像とフラウ廟に飾ってあるフラウ像に持たせるわけ?」
マレイグが不信感たっぷりにラテスに聞く。
「そうだよ。そうじゃないと三点結界の意味ないじゃん」
「あのなぁ、ラテス。ニスク廟はともかくとしてここからフラウ廟までどのくらいあると思っているんだよ!!!!」
「そのくらい分ってるよ、マレイグ。転移の呪文使えばすぐだよ」
ラテスはかるーくマレイグに言う。
後から怒っているマレイグじゃなくって笑っているチェスターとクロンメルにいろいろ聞いたらカイサリー神殿って言うのはいわゆるカイサリー島の別名何だけど、一般的にカイサリー神殿を指すときはニスク廟のあるニスクの神殿を指すんだって。
で、フラウ廟はここから北に20キロの所にあるそうです。
「チェスがいくんでしょ。カイサリー神殿のフラウ廟はチェスの管轄だしな」
「ちょ、ちょっと待ってよぉ、マレイグ。確かにフラウ廟はボクの管轄だけど、カイサリー神殿はマレイグ、君の管轄だよ」
「うっ…………」
チェスターの言葉にマレイグは詰まる。
「はいはいはい、さぁさぁ、カイサリー神殿全体管轄のマレイグとフラウ廟管轄のチェスでいってらっしゃーい!!!」
と、クロンメルの言葉にチェスターとマレイグはしぶしぶフラウ像があるフラウ廟まで転移して戻ってきた。
「はーい、早いじゃないのふたりとも」
騒ぎの元凶ラテスはにこやかにふたりを迎える。
「さて、ニスク像ってどこにあるのラテス?」
「ニスク像は神殿内部にあるんだよ。マレイグ、『ニスクの天秤』置いてきて」
ラテスの言葉にマレイグはしぶしぶ行った。
「マレイグが戻ってきたら列島結界を解こうか」
とラテスは言った。
「でも、誰が列島結界を解くの?」
「オレ」
ファナの言葉にラテスは応える。
その言葉にカーシュが素朴な疑問を投げ掛ける。
「なんで、ラテスが列島結界を解くことが出来るんだ?」
「一応このカイサリー神殿に住んでいる現代神だからとでも言っておこうか」
「前も言ったけど、海の神なんて聞いたことないぜ。オレ」
ラテスの言葉にカーシュは不満そうに言う。
「カーシュ、教えなかったか?海の神ラテスのこと」
「……マリウス…小学校では聞いてないよ」
「オレもゼルも一応教えたはずだ、お前がスウェルナイトになったときに。忘れたのか」
マリウスの軽い説教にカーシュは不満げな顔を見せる。
「マリウス構わないよ。別にオレは知られる必要のない神だと思っているし、オレがやらなくてはならないものがたくさんあるから、大勢の人に知ってもらう必要がないさ」
ラテスはマリウスを制しながら、悲しそうにそう言った。
そうこうしている間にマレイグが戻ってきた。
「さて、結界を解くか。マレイグ、チェスター、クロンメル、手伝ってくれ」
ラテスの言葉にワール・ワーズの三人はうなずき、三人は岬にある祭壇へと向かう。
そして、美しいハーモニーを奏で始めた。
「フラウ・ラテス・ニスク・ガイア・トール・ミーツ・イエアン・キム・オース・トルミー・ンイアイ・ジウ 我が名を問い、我が声に答えよ。すべての力の源よ、今、我が声に答えよ。ルーシュ・エフ・ミー・シーン・ギヌ」
ラテスがワール・ワーズのハーモニーを伴奏に呪文を唱えていく。
すると、フラウ廟とニスク廟のあるところから光が立ち上がりラプテフ本土へと向かっていった。
そして、その光に共鳴するかのように本土の方からも強い光が立ち上がりラプテフ本土を覆っていた淡い光を消し去ったのだ。
「結界がとけた」
マリウスがうれしそうに言う。
「あぁ、でもよぉ、またキアンの奴が結界を掛けちまうって言うことはないのか?」
「それはない。人の力だけで掛けたものを『聖宝』を使って解いたのだから、もうラプテフの列島結界は人の力では掛けられないよ」
「何でだよ」
ゼルの問いに答えたラテスの答えに疑問を持ったのかカーシュがもう一度問いかける。
「神の力の化身である『聖宝』で呪文を掛けたから。この呪文はオレがもう一度『聖宝』で列島結界をかければ人の手でかける事が出来る。けれど、オレかける気しないし。だから、結界を張られる事はない。オレがやろうとしない限り」
カーシュの言葉にラテスは応える。
ラテスって…一体何者なんだろう。
海の神って言ってるけど…海の神は現代神だって…マリウスは言ったけど…。
月の女神アイファ様とため口で会話して古代水の神アーシャ様ともため口会話して…。
カバネルの三聖人からは敬語で話しかけられて…。
しかも、ラプテフの最終防衛ラインである列島結界の解呪が出来て…。
分んないよぉっっ。
「ラテス」
マレイグがラテスを呼ぶ。
「僕たちは、行くけど…」
「うん、掛けといてね」
「了解」
ラテスの言葉にワール・ワーズの三人はため息をつき、カイサリー神殿から転移していく。
「どこに行ったの?」
「フラウとガイアを列島結界から避難させたって言ったでしょ?その二人をオデッサ台地に戻すためにだよ」
ふ〜ん。
「ちょっと待って。ガイア様とフラウ様を避難させたってどういう事?列島結界は、神々がその力を封じられてしまうほど、強いものなの?」
ファナがラテスに問いかける。
…い、言われてみればそうかもしれない。
最初に聞いたときは、ラプテフからでなくちゃならないからって
自称海の神ラテスが、その結界を掛ける事も解くことも出来るというのに、ガイア様とフラウ様が力を封じられるなんて事…あり得るの?
「…ふ〜ん、さすが、鋭いな。ファナ」
静かに、ラテスはファナを見る。
いつもの笑顔を見せながら。
「ラテス、あなた何を隠しているの?」
「…ファナ、よせ」
「マリウス!」
「ラテス様には、何かお考えがあるのだ。そのことを理解しろ」
「お考えって何?」
ファナはそう言い、問いただすようにラテスを見つめる。
ラテスもそれを静かに受け止め、そして答える。
「今、それを話す時じゃない」
「ラテス…どういう事?少しは教えてよ」
「それは出来ないな。ファナ、ミラノ、そしてカーシュ。今、時間がないのは理解している?」
そう言ってラテスはラプテフ本島を見る。
ラテスの言うとおりだ。
今は、サガの所に行ってサガと合流して、国王夫妻を助けなきゃ。
「そのうち、教えてよ」
「そのうちって言うほど、遅くはならないよ。ラプテフの件が完了したら、すぐにでも言える」
そうラテスは力強く言った。
「ラテス、オレとマリウスはこの後どうしたらいい?」
「キガナイの屯所に向かってくれ。アースガルドが集っているはずだ」
ゼルの問いに答えたラテスの言葉にマリウスが驚く。
「あそこは無事なのか?」
「忘れたのか?マリウス。キガナイの屯所は実際問題、ほとんどの人間が知らないところにあってしかも、居る連中は百戦錬磨の隠密だ。キアンだってそこまでバカじゃない。いくら、トーニックの内部にライナスが居たとしてもな」
ゼルの言葉にマリウスはうなずき、このカイサリー島の中にある転移の扉に向かった。
「じゃあ、オレ達は、サガの所に行こう」
サガの居場所は、ショルドの中心にほど近い神社。
キアヌフ神宮に。
エンガル キアヌフの森
キアヌフの森の中心に壮麗なたたずまいの神社がある。
「ここはガイア様の神殿なの?」
「まぁ、正確に言えば、ちょっと違うんだけど。ここはフラウの神殿でもあり、ニクスの神殿でもある。東にあるのが生まれを意味する太陽神フラウ。中央が大地の守護者、慈愛と豊穣の女神ガイア。南が裁きと戦いの神ニスクの神殿。このキアヌフの神宮は三神を祀っている。本来の場所はここから遠いところにあるからね。時の支配者が人々が参拝しやすいようにと、昔ここに建てたんだよ」
とそう言ってラテスはあたし達をガイア様の社に案内する。
「ラテス」
涼やかな声が聞こえる。
「待たせたね」
「そんな事ないわ」
現れたのはサガのお母さんであるセルフィラさん。
「サガの様子はどう?」
「問題ないのでしょう?あのようになっても」
「まぁね」
セルフィラさんの言葉にラテスは微笑む。
その様子からいって、サガはすでにファナや、カーシュの時のように剣の魔法の中にいるんだ。
「改めて、勇者ミラノ様。私は、大地の女神ガイアの神官。セルフィラ・スノォ・ルマイラともうします前は挨拶無しでごめんなさいね」
そう言って、セルフィラさんはガイア様に似た少女のような笑顔を見せる。
「ルマイラ…って、サガとどういう関係なんだ。妹?」
「まさか、サガに妹が居るなんてわたし聞いた事ないわよ」
ファナとカーシュがあたしの後ろで囁きあってる。
セルフィラさんも、ラテスも言わなそうなので、この際黙っておく。
この、あたしとさほど年が変わりないような彼女がサガの母親だなんてしったらカーシュもファナもきっと驚くし。
それに、黙っててもおもしろそうだし。
サガも、言ってないみたいだし。
教えてくれたときの様子からいって、サガは知られたくないみたいだしね。
「では、みなさま、サガの所にご案内いたします」
セルフィラさんの言葉にあたし達は後を付いていく。
「サガはあそこにいるよ」
キアヌフ神宮のガイア宮の中心の本殿が見えてくるとラテスは言う。
「…『大地の剣』はまだ作動しているのかよ?」
本殿から発せられる『大地の剣』の力を感じ取ったのか、カーシュが小さくつぶやく。
「列島結界は外部から『大地の剣』を作動させる事によって壊せたり張る事が出来たりする。サガにここにいるように言ったのは、内部からの圧力をより強力にしたかったからだ。ファナもカーシュも知っての通り、あいつはなんだかんだ言っても『スリーナイト』随いつの魔力の持ち主だからな。作動するための『大地の剣』の制御をして貰っていた」
「その役目を担うはずの神官を不在にさせない為ね。『大地の剣』が作動する事で」
「その通りだよ、ファナ」
『大地の剣』の作動。
それって『氷の剣』が作り出した氷柱とか『炎の剣』炎柱とかが出来たのと同じ事かな。
「それにサガ自身を試す意味合いもあるんだけどね」
そう言って、ラテスは少しだけ厳しい表情を見せる。
「ラテス?」
どういう意味なんだろう。
ガイア宮の中心は六角形の形をしている円形状に近い建物だった。
「この六角殿はガイア宮のとここにしかない珍しい形なんだぞ」
と現代神にやたらと詳しい(現代神信奉者らしい)カーシュが教えてくれる。
「…サガはこの中にいるの?」
カーシュの未だつづいているうんちくを半ば無視するような形であたしは確認するようにラテスに聞く。
「その通り」
ラテスのうなずきに意を決して、扉を開ける。
天井すれすれの所に配置されている窓から光が差し込み、神殿内を明るく照らす。
「…綺麗…」
ファナが小さく言葉を漏らす。
黄色みがかかった水晶の柱に窓から差し込む光が静かに照らし、光を受けた水晶は自然にできあがった面から複雑に光を反射させていた。
「…これ、水晶?」
「違うわ…。もっと深い輝きがある…ダイア?」
「その通り、ダイアモンドの中でも最上級のアルスマントダイア」
それって、フラウ様の棺と同じ石!!!
ギャー、こ、コレって、いくらするんだろうっっ。
思わず、不謹慎な事を考える。
え……。
「…サガ…?」
光線が微妙に角度を変え、そこに人影が見える。
ダイアの柱に向かうと、やはり、その中にはサガがいた。
ファナのように剣を抱えるのでもなく、カーシュのように構えるでもなく。
よく見る騎士の絵で(そんなの見た事ないけどっっ。想像で)剣を大地につきそれを支えるかのように立っている様に見えた。
そして、『大地の剣』はまだ、その水晶の柱を目に見える速度で築いていた。
「…暴走しているのか」
カーシュがつぶやく。
暴走って???どういう事、カーシュ。
「ラテスッ、どうやって止めるのよっっ」
サガの事、どうやってこの中から出すの?
「コレは予定の範囲内だよ。暴走は止まる。ともかく、まずは双龍のメダルを」
落ち着いて言うラテスの言葉を信じ、『双龍のメダル』をマントからはずす。
「そしたら、どうするの?」
「今、『大地の剣』はまだ柱を築いている事から暴走状態にある。外部から列島結界を破るには『大地の剣』の力を暴走させ、で突き破る事をしなくちゃならない。カイサリー島でゼルが聞いてきたね。「この列島結界がまたキアン卿に掛けられてしまう事はないのか?」とオレはその時あり得ないと答えた。それは『聖宝』で破壊してしまうのだから、人の魔力だけではどうあがいても列島結界を作る事は不可能になったんだ。『双龍のメダル』は力を制御するメダル。『行き過ぎた力』や『定まらない力』を押さえたり、ただしたりする事が出来る。暴走状態にある『大地の剣』の力を押さえるのだから、あれの柄のラピスラズリの所にメダルを近づけて。そうすれば、『大地の剣』は暴走が止まる」
「分かった」
ラテスの言葉を聞き、あたしは『大地の剣』の象徴とも言えるラピスラズリがハマっているところに近づけた。
「後は…サガ次第だけどね」
小さく、ラテスがつぶやいた瞬間に、ファナやカーシュの時と同じように声が聞こえた。
『試練とはよく言ったものだな、ラテスよ』
声の低い男の人。
『お久しぶりです。お変わりない様で』
敬語で話すラテス。
『そう簡単に変わるとでも思っていたのか?お前は』
声の低い男の人はあきれたように小さく笑う。
『そう…でしたね。あの人とあなたの弟さんに逢いましたよ』
『だろうな。『氷の剣』と『炎の剣』から気配を感じた。…だと言う事はもうすでに話したのか?』
『氷の剣』と『炎の剣』から気配?
じゃあ、あの時(ファナやカーシュの時)聞こえた声の人の気配?
『いえ、先にラプテフの件を済ませたいと思いまして…。勇者やその従騎士が納得できないでしょうし…それに…』
『お前の心情は理解している。だが、時間は『無限』ではないぞ』
『十分、理解しています』
…無限じゃない時間。
そう言えば、あたしは、どうしてこの世界にいるんだろう。
ロマの復活を止めるためにファルダーガーに召喚された。
でも、ロマは偽物で…。
二回目にここに来たのは、皆を助けたいからで…。
そしたら、帰れなくなって。
何かをどうにかするために今は、ここにいる。
目的も何も知らされないまま、ここにいる。
ラテスはやっぱり知っている感じがする。
どうして、知っていて教えてくれないんだろう。
『お前が何をやろうというのか検討付かないが、勇者は私も気に入っている。大切に扱え』
『あなたが、そんな事を言うとは思いもしませんでしたよ』
『気にするな。では、勇者ミラノよ、いずれ逢おう』
金色の髪に、銀の瞳。
姿形、そのほか全てが洗練されているその人があたしの目の前に現れ、そして消えた。
だ……誰???
突然の事に、呆然としてしまった。
一体、誰なのよぉ!!!!