** Be together:music by TM NETWORK / 名探偵コナン
佐藤さんの指に光るのは、僕が頑張って買った指輪。
魔除けじゃないんだけど………。
とりあえずまぁ、いいか。
休憩中に、由美さんが突然現れた。
どこか底意地の悪そうな笑顔をしているのは気のせいだろうか。
「なんですか?」
近寄ってきた由美さんから離れるように半歩だけ下がって返事する。
一歩下がれば気づかれるから。
刑事になってそう長くはないけれど。
それでも重ねてきた経験が何かを警告してる。
由美さん、何か聞いてくる。
「別にね、たいしたことじゃないんだけど〜。美和子の事よ。元気?」
「元気…って元気ですよ。由美さんだって知ってるじゃないですか」
「っていうか、このところ会えてないのよ。前だったら合コンだとか言って美和子の所行けたんだけど、今はほら。ねぇ高木君」
由美さんはからかうように僕に言う。
「僕がなんですか?」
なんて残念ながら由美さんには言えない。
由美さんには佐藤さんとの仲を取り持ってくれた最大の功労者なのだから。
「…別に、僕は…」
「でも、合コンには行って欲しくないでしょう?」
「そりゃそうですよ。一応、佐藤さんと僕はつきあってるわけですから」
最後の方はトーンを落とす。
警視庁のマドンナ。
そう呼ばれてる佐藤さん。
未だ佐藤さんが好きな人だって大勢いる。
そんな人にはあまり聞かれたくない言葉だ。
「でしょう。だからさぁ、合コン行っても平気なようにね魔除けの指輪をあげたわけよ」
へ?
突然の方向転換に僕は戸惑う。
魔除けの指輪………。
確か、由美さんから貰ったとか?
「高木く〜ん、美和子にあげた指輪違ってるんだけど、何か知らない?」
遠回りに、あの指輪の事を言ってるんだ。
僕があげた指輪の事を。
「美和子から聞いたんだけど、アタシがあげた魔除けの指輪じゃなくって僕があげる指輪をしてくださいって言ったんだって?」
と由美さんは楽しそうに言う。
「美和子知らないわよ?高木君が美和子にあげた指輪。婚約指輪って思ってないから」
えぇ、そんなの十分知ってますよ。
捜査1課の部屋でさんざん言われましたから。
だいたいそんな情報どこで拾ってくるんだろう。
って思うよ。
「まぁ、頑張って」
そう言うだけいって由美さんは戻っていった。
なんか、楽しまれてる気がするなぁ……。
僕なんか大変だって言うのに…。
部屋に戻ったら、佐藤さんは気にせず指輪見るんだろうなぁ。
そう思った瞬間、なんだか妙にショックを受けてしまった。
なんの感慨もなく見られる指輪ってすごい寂しい。
「高木君?どうしたの?」
不意に佐藤さんの顔が現れて驚いた。
「もう、急にどうかしたのかと思っちゃった。それより、高木君、魔除けの指輪ありがとうね」
なんて佐藤さんは脳天気(ホントにその言葉が合う)に指輪を見る。
佐藤さん、気づいてくれないかな?
案外彼女は自分の事に関しては無頓着だから、実際の所それがなんなのか分からないのかも知れない。
でも、でもね、
佐藤さん、やっぱり気づいて欲しいんですけどね。
魔除けじゃないんだけど………。
とりあえずまぁ、いいか。
******
「ねぇ、高木君、一つ聞いても良いかな〜」休憩中に、由美さんが突然現れた。
どこか底意地の悪そうな笑顔をしているのは気のせいだろうか。
「なんですか?」
近寄ってきた由美さんから離れるように半歩だけ下がって返事する。
一歩下がれば気づかれるから。
刑事になってそう長くはないけれど。
それでも重ねてきた経験が何かを警告してる。
由美さん、何か聞いてくる。
「別にね、たいしたことじゃないんだけど〜。美和子の事よ。元気?」
「元気…って元気ですよ。由美さんだって知ってるじゃないですか」
「っていうか、このところ会えてないのよ。前だったら合コンだとか言って美和子の所行けたんだけど、今はほら。ねぇ高木君」
由美さんはからかうように僕に言う。
「僕がなんですか?」
なんて残念ながら由美さんには言えない。
由美さんには佐藤さんとの仲を取り持ってくれた最大の功労者なのだから。
「…別に、僕は…」
「でも、合コンには行って欲しくないでしょう?」
「そりゃそうですよ。一応、佐藤さんと僕はつきあってるわけですから」
最後の方はトーンを落とす。
警視庁のマドンナ。
そう呼ばれてる佐藤さん。
未だ佐藤さんが好きな人だって大勢いる。
そんな人にはあまり聞かれたくない言葉だ。
「でしょう。だからさぁ、合コン行っても平気なようにね魔除けの指輪をあげたわけよ」
へ?
突然の方向転換に僕は戸惑う。
魔除けの指輪………。
確か、由美さんから貰ったとか?
「高木く〜ん、美和子にあげた指輪違ってるんだけど、何か知らない?」
遠回りに、あの指輪の事を言ってるんだ。
僕があげた指輪の事を。
「美和子から聞いたんだけど、アタシがあげた魔除けの指輪じゃなくって僕があげる指輪をしてくださいって言ったんだって?」
と由美さんは楽しそうに言う。
「美和子知らないわよ?高木君が美和子にあげた指輪。婚約指輪って思ってないから」
えぇ、そんなの十分知ってますよ。
捜査1課の部屋でさんざん言われましたから。
だいたいそんな情報どこで拾ってくるんだろう。
って思うよ。
「まぁ、頑張って」
そう言うだけいって由美さんは戻っていった。
なんか、楽しまれてる気がするなぁ……。
僕なんか大変だって言うのに…。
部屋に戻ったら、佐藤さんは気にせず指輪見るんだろうなぁ。
そう思った瞬間、なんだか妙にショックを受けてしまった。
なんの感慨もなく見られる指輪ってすごい寂しい。
「高木君?どうしたの?」
不意に佐藤さんの顔が現れて驚いた。
「もう、急にどうかしたのかと思っちゃった。それより、高木君、魔除けの指輪ありがとうね」
なんて佐藤さんは脳天気(ホントにその言葉が合う)に指輪を見る。
佐藤さん、気づいてくれないかな?
案外彼女は自分の事に関しては無頓着だから、実際の所それがなんなのか分からないのかも知れない。
でも、でもね、
佐藤さん、やっぱり気づいて欲しいんですけどね。
**後書き:名探偵コナン56巻発売記念。
高木君のむっとした顔には思わず笑ってしまいましたよ。
高木君のむっとした顔には思わず笑ってしまいましたよ。