「おとといきやがれ。このストーカーゴリラ！！！！」
　見事な鉄拳で彼女はゴリラを倒した。
　ゴリラ…なく子も黙るこの江戸の治安を護る真撰組の局長、近藤勲。
　今日も彼は幸せなんだろう。 「今日も、お美しいですね、お妙さん」
「……局長……、毎朝、言わせて貰いますけどね。あんた、いい加減にそのポスターどうにかしてくれ！一応局長だろ？ストーカーまがいっていうよりそれストーカーだから！！！」
　背後でトシがなにやら言っているが、とりあえずスルーだ。
　朝の儀式はしっかりとやらなくては一日締まらんからな。
「ともかく朝の会議の時間に遅れないでくださいよ」
「おう」
　トシが言って俺はお妙さんを見ながら着替える。
「……だから、さっさとしろって言ってんだよ！！！！」
　う、う、お妙さぁ〜んトシの奴が。俺とあなたの仲を引き裂きます。
「引き裂くも何も、相手にされてねぇじゃねぇかっていうか、毎回毎回、毎回毎回、手を煩わせてんじゃねぇよ。昨日も伸されて、あんたを迎えに行った俺のみにもなってくれ。ッツーか、普通に行かせてくれ」
「さりげなく、自分も飲みに行きたいって言ってますぜ。近藤さん。土方さんもきっとお妙さんと、しっぽりやりたいみたいですぜ」
「今時しっぽり？って言うかなんで俺があんな凶暴女と」
「トシ何を言うお妙さんは凶暴なんかじゃない。ちょっと元気なだけだ」
　あの人から繰り出される鉄拳、やけり。
　見事なもんじゃないか。
「どこが、ちょっと元気なんだよ！！あぁもう、俺やだ」
「じゃ、死んでくだせぇ、土方さん」
「っつーか死ぬか！誰が死ぬって言ってんだよ！！！おら、今日の会議は定期のパトロールの巡回についてだろうが！！！」
「トシ、その巡回路にお妙さんの所入れてもいいか？」
「………………………そんで半死半生まで殴られて全治１年ってなったらどうするんすか？」
「お妙さん見舞いに来てくれないかなぁ？」
　きっと来てくれる、お見舞いに。
『近藤さん、あのときは済みませんでした』と涙を見せて。
「っつーかそれ以上妄想してんじゃねぇよ！！！まじで頼むから。円滑にこの組を運営させてくれよ」
　トシが俺を引きずりながら言う。
　その後には総吾。
　今日も一日が始まる。
　終わったら、お妙さんに逢いに行こう。
　っていうか巡回路にすなっくすまいりもいれてしまおう。
　それだとお妙さんに逢いに行くの楽だろう。
　今日も逢いに行きますお妙さん。

「いらっしゃいませ、くそゴリラ様。さっさとお金落としてお帰りください。お飲み物はピンクドンペリで」
「はい〜」
「………………マジで、いい加減にして欲しい」

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