** Just One Victory:music by TM NETWORK / 銀魂
「銀ちゃんっっ!!」
「うるせーぞ、神楽」
「銀ちゃん、死んじゃいやアル?」
死ぬ?
何言ってんだよ…………。
で、俺は一時療養していた新八とお妙の家である「恒道館道場」からようやく万事屋へと帰ってきた。
とは言っても、絶対安静の状態から、過度な運動禁止!!という状況になっただけだが。
地上に降りて、俺は出血量からすぐに意識を失ったらしい。
らしいというのは、どうもあやふやだからだ。
ヅラのパラシュートで降りてくるのは覚えてた。
高杉が皮肉り顔で空から見下ろしているのも覚えてる。
鬼兵隊が船でここから消えるのは見えた。
その船は、地上に降りてみている。
「じゃあ、意識失ったのはいつだ?」
ヅラの説明によれば
「地上に降りてすぐだ、銀時。ついでに言っておくが、俺はヅラじゃない。桂だ」
という。
じゃあ、神楽が泣いてんの、いつ?
「銀ちゃん、具合大丈夫あるか?」
ホントは寝床で安静だったが、退屈かと思ったのか神楽は俺をソファに居てもかまわないと言ってる。
新八も同じ事いってるのだから、おそらく二人で決めたことらしい。
「まぁ、まだちょっと痛むけど、それほど心配するほどのもんじゃないけど?」
発売されたジャンプをぺらぺらとめくりながら神楽に答える。
「そうアルか?」
どこか、声が沈んでる。
「神楽〜」
声を掛ければ
「何でもないアルよ〜。銀ちゃん、チョコ食べるアルか?」
そう言ってそそくさと神楽はチョコを取り出す。
「おまっ、これ溶けてんじゃねえか」
「あ、ごめんアルよ〜」
「ごめんじゃねえよ」
神楽から手渡されたチョコは溶け始めている。
「神楽」
そう呼べば、
「何でも無いアルよ〜」
再び繰り返されるそれ。
怪我して新八の家からようやく万事屋に戻れるぐらい回復してきた当初、新八が泊まり込んでいたが、大丈夫だと思ったらしく、家に戻るようになった。
それからだどこか、神楽の声の調子が時々沈むようになったのは。
「5回目〜」
繰り返される「何でもないアル」。
今のそれは実は今日5回目だ。
何度も聞かなくても分かるだろうに。
「何がアルか?」
「なぁ、お前、何がなんでもないなんだ?」
「だから、」
「神楽、こっち」
ソファの後ろと前で喧嘩していた神楽をこちらに呼ぶ。
そして、神楽の腕を引く。
「何考えてんだか、知らねえけどさ…俺は、今生きてんだよな」
「何頭悪いこと言ってるアルか?」
「んなこと言ってねぇよ。だから、俺は、今生きてるんだよ、神楽」
そう言って引いた腕で、神楽を抱きしめながら言う。
「震えてる必要なんざねえんだよ」
「震えてなんか居ないアルよ。いきなりなに言ってるアルか?」
そう神楽は強がりながら言う。
「そうだな、お前は震えてないよ。神楽」
「何あるか?何でも無いアルよ」
「こういう事って生きたもん勝ちだろ?怪我とかしちまったけど、今こうやってやれるんだからいいじゃねえか」
そう。
今、神楽を抱きしめてる。
その事実があればいいだろ?
俺だって生きてる実感がわく。
「そう…アルな。死んだら、元も子もないアル」
神楽が想像しているのは誰のことだろうか。
名前がいつも出てくるマミーの事だろう。
俺は、攘夷戦争の頃…。
「銀ちゃん、眠いから寝てもいいアルか?」
「いつもは了解とらずに寝てるだろうか」
「そうだった…アルな。じゃあ、お休みアル」
そう言って寝る神楽は結局俺が抱きしめてるままだ。
「勝手に寝るな」
そう言っても神楽は目が覚める様子が無い。
寝てるから、重くて、体温がなんだか温かくて。
…それは全て生きてるからの特権だ。
「生きててありがとう」
思わず呟けば
「こっちの台詞だバカ」
そう寝言で反論受けた。
…寝たふりするな。
と、言いたいところだったが、やめた。
今は、この温度を感じていて居よう。
「うるせーぞ、神楽」
「銀ちゃん、死んじゃいやアル?」
死ぬ?
何言ってんだよ…………。
******
あの、ヅラ行方不明から始まった一連の厄介事は、ヅラとオレが、最後に高杉から逃げることで一応の終決を見た。で、俺は一時療養していた新八とお妙の家である「恒道館道場」からようやく万事屋へと帰ってきた。
とは言っても、絶対安静の状態から、過度な運動禁止!!という状況になっただけだが。
地上に降りて、俺は出血量からすぐに意識を失ったらしい。
らしいというのは、どうもあやふやだからだ。
ヅラのパラシュートで降りてくるのは覚えてた。
高杉が皮肉り顔で空から見下ろしているのも覚えてる。
鬼兵隊が船でここから消えるのは見えた。
その船は、地上に降りてみている。
「じゃあ、意識失ったのはいつだ?」
ヅラの説明によれば
「地上に降りてすぐだ、銀時。ついでに言っておくが、俺はヅラじゃない。桂だ」
という。
じゃあ、神楽が泣いてんの、いつ?
「銀ちゃん、具合大丈夫あるか?」
ホントは寝床で安静だったが、退屈かと思ったのか神楽は俺をソファに居てもかまわないと言ってる。
新八も同じ事いってるのだから、おそらく二人で決めたことらしい。
「まぁ、まだちょっと痛むけど、それほど心配するほどのもんじゃないけど?」
発売されたジャンプをぺらぺらとめくりながら神楽に答える。
「そうアルか?」
どこか、声が沈んでる。
「神楽〜」
声を掛ければ
「何でもないアルよ〜。銀ちゃん、チョコ食べるアルか?」
そう言ってそそくさと神楽はチョコを取り出す。
「おまっ、これ溶けてんじゃねえか」
「あ、ごめんアルよ〜」
「ごめんじゃねえよ」
神楽から手渡されたチョコは溶け始めている。
「神楽」
そう呼べば、
「何でも無いアルよ〜」
再び繰り返されるそれ。
怪我して新八の家からようやく万事屋に戻れるぐらい回復してきた当初、新八が泊まり込んでいたが、大丈夫だと思ったらしく、家に戻るようになった。
それからだどこか、神楽の声の調子が時々沈むようになったのは。
「5回目〜」
繰り返される「何でもないアル」。
今のそれは実は今日5回目だ。
何度も聞かなくても分かるだろうに。
「何がアルか?」
「なぁ、お前、何がなんでもないなんだ?」
「だから、」
「神楽、こっち」
ソファの後ろと前で喧嘩していた神楽をこちらに呼ぶ。
そして、神楽の腕を引く。
「何考えてんだか、知らねえけどさ…俺は、今生きてんだよな」
「何頭悪いこと言ってるアルか?」
「んなこと言ってねぇよ。だから、俺は、今生きてるんだよ、神楽」
そう言って引いた腕で、神楽を抱きしめながら言う。
「震えてる必要なんざねえんだよ」
「震えてなんか居ないアルよ。いきなりなに言ってるアルか?」
そう神楽は強がりながら言う。
「そうだな、お前は震えてないよ。神楽」
「何あるか?何でも無いアルよ」
「こういう事って生きたもん勝ちだろ?怪我とかしちまったけど、今こうやってやれるんだからいいじゃねえか」
そう。
今、神楽を抱きしめてる。
その事実があればいいだろ?
俺だって生きてる実感がわく。
「そう…アルな。死んだら、元も子もないアル」
神楽が想像しているのは誰のことだろうか。
名前がいつも出てくるマミーの事だろう。
俺は、攘夷戦争の頃…。
「銀ちゃん、眠いから寝てもいいアルか?」
「いつもは了解とらずに寝てるだろうか」
「そうだった…アルな。じゃあ、お休みアル」
そう言って寝る神楽は結局俺が抱きしめてるままだ。
「勝手に寝るな」
そう言っても神楽は目が覚める様子が無い。
寝てるから、重くて、体温がなんだか温かくて。
…それは全て生きてるからの特権だ。
「生きててありがとう」
思わず呟けば
「こっちの台詞だバカ」
そう寝言で反論受けた。
…寝たふりするな。
と、言いたいところだったが、やめた。
今は、この温度を感じていて居よう。
**後書き:ここだけの話、死ぬとはをある意味見直したモノだったりする。
所で、高杉がこやぴーってホント?夏祭り見てないから知らないのよ。
所で、高杉がこやぴーってホント?夏祭り見てないから知らないのよ。