「命、大丈夫か?」
「え?うん、大丈夫よ。心配しないで凱」
凱が私をのぞき込む。
笑顔は変わらなくて、安心した。
そして、凱の笑顔に泣きたくなった。
宇宙開発公団に就職という表向きの形で、私はGGGに入隊した。
日本政府と、宇宙開発公団が秘密裏に作った組織GGG。
ここには、凱が居る。
高校時代からの恋人。
近くて、遠い恋人。
彼は、ほんの一部の生身の部分をのぞいて全てサイボーグだ。
史上最年少の宇宙飛行士という栄誉の代償…。
生きていただけでも救われているのだ。
私は、彼をサポートすると決めてGGGに入隊する。
彼が生きていると、凱の父親である獅子王博士に聞いたときから。
「荷物はこれだけ?」
数少ない私の荷物を見て凱は聞く。
入隊するに当たって、私はGタワーの近辺にある公団住宅とはまた別のGGG隊員の為のマンションに引っ越すことになった。
ちなみに、このマンションはGGGに緊急時には直接向かうことの出来る通路がある。
「そう、これだけ」
凱の問いに私は頷いた。
1年前、コードネーム「EI-01」が私の家に落ちてきて。
EI-01。
これが全ての元凶。
凱が死にそうになり、私の両親を殺し、私の家を焼いた。
そのため私の家は全焼した。
何もかもなくなって、親戚の家に身を寄せていたせいで、私の私物はものすごく少ない。
「………命」
凱が私を呼ぶ。
「何?凱」
「オレは、もう命の前から居なくならないから」
「急にどうしちゃったの?」
変な凱。
ふと、凱の指が私の目元をたどる。
「泣いてるから」
そうしてぬぐう。
「命は泣き虫だな」
「誰のせいよ」
凱のせいじゃない。
そんなの分かってる。
「ごめん」
「謝らないでよ。バカ」
「けど」
まだ何か言いたそうな凱に私は高校の時に言った言葉を言う。
「嬉しいから泣くことだってあるって事。覚えてって言ってるじゃない!!」
「そうだったな」
あのときは楽しかった。
まだ何も知らなくて。
私は家と学校と、凱だけが全てだった。
「これからどうなっちゃうのかな?」
なんて言えない。
何があっても私は凱のそばにいる。
「凱、私が貴方を護るわ」
「それは、オレの台詞だよ?」
「何言ってるの?凱の健康管理は私の役目!!!聞いてる?」
凱のメンテナンス……とはあんまり言いたくないけれど、彼が生きているための計器機器関連は私がチェックする。
獅子王博士が許してくれたことの一つ。
博士は高校生の時から凱と私のこと知ってるから。
「宜しく頼むよ」
「任せておいて」
泣いてるわけにはいかない。
両親が死んで、凱も死んでと思っていた時の私は居ない。
凱は現にこうやって生きているもの。
たとえほとんどを機械に占められていると言っても。
声も、考え方も全て凱で。
「ずっと側にいて」
その手を掴んで私は言う。
「当たり前だろ」
そう言った凱は昔と変わらない笑顔だった。
凱復活のドラマCD聞いてみたいです。
ガイミコなんだって。すっごくラブラブなんだって。
スパロボ参戦作品で二次創作するぐらい好きな作品の一つ(W、G、ガガガ。Zはどうなんだろう。書くのは好きなんだけど)。