「ねぇ、キョウスケ。お願いがあるの。もしね、もし。子供が出来たらその時は……」
「いつかな……」
赴任先に移動するときそんな会話をした。
「さむ〜い」
ペトロチャンクカムチャッカスキー(正確にはペトロパブロフスク・カムチャッキー基地)基地での巡回は……暇なのよねぇ。
「寒いとぼやくな。コクピット内部は温かいだろう?」
「そうだけどぉ、暇なのよねぇ。こんなところになん〜で基地なんて作ったんだか、不思議になっちゃうわ」
北の寒い地方。
あたしたち、ATXチームはこの『ペトロ難とかカムチャッカ好き〜基地』に飛ばされたのだ。
まぁね、タコさんにあごで使われるよりはましだけど。
そう考えると、ハガネで空飛んでるSRXチームは…あぁやっぱり彼らも…同じようなものよねぇ。
こう寒いと、部屋の中暖房効かせるから、乾燥して乾燥して、お肌が……ばりばりになっちゃうのよねぇ……。
あ、北国の女の人は美人が多いって言うわよね。
うん、美人になる為に努力しようかしら。
「………無駄口を叩くな。巡回行動はどこの基地でもやっている」
「……軽くかわさないで。協力してやるとか言ってくれたって良いじゃない」
「撃ち落とされたいのか」
あ、愛が足らない……。
ブリット君なんてクスハちゃんがピンチになったらクスハーって叫んで突っ走っちゃいそうなのに、キョウスケにはソレがない!!!
不満だわぁ。
「そう簡単にお前がピンチになるのか?」
……ソレは信頼してくれてるって事よね。
「お前のその前向きなところは長所でもあり欠点でもあるな」
なんか、素直にほめてくれない。
やっぱり、愛が足らない。
レモン、アルフィミィ、あなた達のお父さんはとても愛が足りません。
お母さんは愛が足らなくて死んじゃいそうです。
「エクセレン、まだ居ない者に話しかけるな」
まだって事は、いつかは双子生んで良いって事よね。
「………………………」
もう、そこで黙らないでよぉ〜〜。
照れちゃって。
しょうがないわ。
いつか会える貴方たちのために、寒いけど、な〜んにもないけど、なんかあったら面倒だから、しっかり巡回でもしちゃって、さっさと切り上げて、東京でやる式典でも見ましょうか。
「ね、キョウスケ」
「目的は巡回なんだぞ」
そう言って笑ってるキョウスケはあたしの提案に乗ってくれてるって事だから、うんうんまぁ、…愛はなくはないのよね。
時々、愛が足らないって思うんだけどね。
「エクセレン、適当にやるな。」
う、厳しいお声。
どっちかって言うと2.5(外伝)というよりはOVA寄り。
いつか、キョウセレには双子が生まれるんだろうなぁと思うと楽しみです。 きっとOGファイナルの後だろうけどね。