** YOU CAN FIND:music by TM NETWORK / アンカーTM版(オリジナル)
その事は、とても危険なことだという。
狭間を見つけて、空間をつなげて、そして開ける。
理論上ではうまくいっても、実際にやってみるとそうは行かない。
でも……実行して成功しても戻ってくる可能性は……。
分からない。
******
彼女はビルの屋上でこの街の夜景を見ていた。「RIN0、捜したよ」
ミツコに彼女を捜すよう頼まれた僕はビルの屋上で見つけた彼女に声をかけた。
振り向いた顔は何処か泣きそうな…そんな表情。
「REv0、どうしたの?」
彼女のまわりに何かが足らない。
それは、考えなくても分かった。
あの、三人だ。
何時も、彼女の側にいて守るように立っている彼と見守っている二人。
あの三人の立ち位置は何時も綺麗な三角形を描いているような気がしていた。
それぞれが自分のするべき事を理解している、位置。
その三人が今はいない。
「RIN0、…」
僕は、何を聞こうとしているのだろうか…。
聞かなくても分かることだろうに。
RIN0がここに一人でいる理由。
あの三人は彼女を心配して、彼女を守る為に一人で表に出すことは決してしなかったから。
そして、彼女もそれを分かっていた。
その三人がいない。
聞かなくても分かっているのに、僕の口から言葉が零れていた。
「RIN0、あの人達は?」
「居なくなっちゃった…」
寂しそうにRIN0は呟く。
その呟きは風に溶けていきそうで彼女までいなくなるような気がした。
「RIN0、…」
「REv0、Dから聞いてないの?」
彼女は僕が知らなかったのが疑問だったのか不思議そうに僕の顔を見る。
「Dは…」
思わずそこで言葉を止める。
Dがあの人達の下を離れてから随分経つ。
だから僕がこの事を知ったのはDからでは無くて、Dのその事に心を痛めているヒロからだった。
Dは今頃、ヒロから聞いているだろう。
三人がいなくなったという事を。
「あたしね自分で頼んだのに行かないでって泣いたの。だって一人で残されるの寂しいから。…矛盾してるって笑われちゃったけどそれはしょうがないよね。あたしはやっぱり寂しくてどこにも…本当はどこにも行かないで欲しかったから…」
「いつ帰ってくるの?」
「分かんない…。帰ってこれないかもしれない」
「RIN0…君がそんな弱気になってちゃダメだよ。帰ってくるって信じなきゃ」
彼女にそう言っている自分が驚いた。
僕に人を勇気付ける言葉はでないと思ったから。
「REv0…ありがとう」
僕の言葉は彼女に届いたのか微笑んだ。
僕は願う。
彼らがいつの日か帰ってきて彼女が泣きそうな笑みを見せるのではなく、心からの笑みを出せるように。
**後書き:D&ヒロはアクセス。
REv0はレボリューションな人。
です。
D vs zeitsは書いたけど、Dとヒロの出会いが書きたいんだよね実は。
REv0はレボリューションな人。
です。
D vs zeitsは書いたけど、Dとヒロの出会いが書きたいんだよね実は。